海外自由旅行の魅力は、好きな場所に好きな時間だけ観光したい、食べたい物を食べたい、グループに振り回されることなく自分のペースで旅がしたいなど、「自分好み」の旅を自由にアレンジできること。
ホテルもお部屋も自由! 食事も自由! 観光名所も移動手段も予算に合わせて全て自由。ツアーでは実現できない、自分ならではの海外自由旅行へ出かけてみませんか?
目次
特別企画1: 海外個人旅行 完全マニュアル
実際の個人旅行の様子を写真付きで解説します!
特別企画2: 初めての海外バックパッカー
バックパッカーの旅の準備の仕方から旅の様子まで解説!
旅に出よう!と思い立ったら。海外自由旅行の最初の準備
海外自由旅行の計画の立て方でまず最初にすることは『出発日と帰国日、行きの到着地と帰国の際の出発地』を決めることです。ここがハッキリしてこないと航空券の手配をすることが出来ないからです。下記のように決めると確実です。
旅行時期と日数が決まっていて時間に限りがある、短期旅行の場合の計画
お仕事の休暇の都合など、旅行時期や期間が決まっている人の自由旅行の場合、限られた日数を無駄なく満喫するため、出来るだけ多くの情報を出発前に集めましょう。この情報収集が短期間の海外自由旅行の成功の要です。
- 海外自由旅行へ行く時期と期間が決まったら、行きたい町をリストアップして優先順位を付けます。
- 旅の起点となる町を決める。飛行機の便が多い大都市にすると計画がしやすい。
- 起点の町とリストアップした町を、地図上でなるべく一筆書きの線でつなぎ、大まかなルートを考える。最終目的地は起点の町と同様、飛行機の便が多い大都市、又は大都市近郊の町にすること。
- つないだ線の区間に鉄道やバスの路線があるか確認する。もし無いようであれば、公共交通機関で結ぶことが出来るコースに修正していく。
- 線でつないだ旅程が全部で何日必要か?の日数計算をする。移動日については、3時間程度で移動できるなら半日で計算し、移動に6時間ぐらいかかるようなら1日で計算。全旅程が大雑把に何日間必要なのか?を確認する。
- 期間内で収まるよう、優先順位の低い町を切り捨てる、又は、他の町の日数を減らすなどして、行く町を厳選していく。
- この時点で、入国する最初の都市と出国する最後の都市がはっきりしてくるので、その都市に就航している航空会社、又は、その2つの都市をカバーしている格安航空券やPEX航空券を探してすぐ手配。格安航空券で出発日や帰国日を変更できない場合は、遅くても出発の2〜3ヶ月前くらい、PEX航空券の場合は予約が早ければ早いほど安いので、出発日と帰国日、入国と出国の都市が決まり次第すぐに手配するのがおすすめ。
ここでのポイントは、市内観光やホテル、レストランのことなどは何も考えず、ただ大まかな旅程を考えて旅行日数を決め、出発日と帰国日、行きの到着地と帰国の際の出発地を決めることに徹することです。
旅行期間が自由に決められる、長期旅行、バックパッカーの場合
海外旅行できる期間は特に決まっておらず、自由に旅行期間を決められる人も、計画の立て方は基本的に上記「旅行時期や期間が決まっている人の計画」と同じですが、期間の制約が無い(航空券の有効期限内で)ので日数を調整する必要が無く、行ってみたい町をひたすら一筆書きで線を引いていきます。
もし旅行期間が1ヶ月以上になる場合は、予備日を2〜3日設けておきましょう。道中で思わぬトラブルが起きた場合や、滞在を伸ばしたい町が出てきた場合に対応することが出来、自由旅行ならではのコツです。
自由旅行の計画と日数計算 ヨーロッパ周遊(フランス、イタリア)の例
日本--(1日)--パリ2日--(1日)--モンサンミッシェル1日--(1日)--トゥール1日(ロワールの古城巡り)--(1日)--パリ1日--(1日)--アヴィニョン1日--(半日)--ニース2日(モナコ日帰り含む)--(1日)--ミラノ2日--(半日)--ヴェローナ1日--(半日)--ヴェネツィア2日--(1日)--ボローニャ1日--(1日)--フィレンツェ4日(ピサ、シエナ日帰り含む)--(1日)--アッシジ1日--(1日)--ローマ4日--(1日)--日本
上記、フランス・イタリア周遊の自由旅行モデルコースを、「移動が3時間程度で半日、6時間程度かかるなら1日」で計算すると、この自由旅行は全体で35.5日必要なことがわかります。この計算はかなりアバウトですが、大体の旅行期間を決めることができます。航空券を手配する際には、出発日と帰国日、入国と出国の都市が必要になるため、なるべく早めに旅程を立てて、手配に備えておきましょう。
航空券の予約をする
海外自由旅行の出発日と帰国日、行きの到着地と帰国の際の出発地が決まったら、格安航空券(ITチケット)やPEX航空券を手配しましょう。
格安航空券は安いものから売れていくので、なるべく早めに手配した方がよりお得なチケットを手配できます。遅くても出発の2ヶ月前を目安に予約するのが理想。ただし、年末年始やゴールデンウイーク、夏休みやお盆時、3月の卒業旅行シーズンは大変込み合うため、出来るだけ早めの手配を。また、マイレージが貯まっている人も、無料の特典航空券の座席数はかなり少ないので、早めの手配をしないとすぐに満席になります。
ちなみに、お仕事が休める日が決まっており、どうしても出発日と帰国日を変更できないという方は、格安航空券ではなくPEX航空券もおすすめです。格安航空券は手配時にすぐ予約確定にならないことが多いのに対し、PEX航空券は残席さえあれば手配と同時に予約確定するので、確実に自由旅行の計画が立てられます。
参考: PEX航空券(正規割引運賃)と、格安航空券の違い
格安航空券の有効期限
格安航空券の有効期限は、一般的に28日、30日、60日、90日、180日、1年といったものが主流です。
ですので、上記で自由旅行の計画の立て方をご案内していますが、全体の旅行期間は格安航空券の有効期限内で旅行日数を設定することになります。
格安航空券を手配する際は、様々な制約が多いため、そのチケットの内容をしっかり確認することが重要。予約確定後は一切変更が利かないことが多いので注意して下さい。また、安い物ではないので、信用のあるお店で予約をすることも肝心。そこで、当サイト管理人も利用する、又は評判の良いお得な格安航空券を手配できる予約サイトをまとめてみたので、参考にどうぞ。
移動手段やホテルを考える。必要なら列車も予約する
航空券の手配ができたら、あとは出発までに旅行中の移動手段や宿泊先など、旅程の詳細を煮詰めていきます。例えば、次の町までの移動手段はバス or 列車、一日どのくらい数本が出てるのか、毎日運行しているのか、駅又はバスターミナルまでのアクセス方法も重要。その他、遠回りした方が移動がしやすい、列車の接続が良いといったこともある(特に大きな町を経由する場合など)ので、地図を見ながら計画を立てると良いでしょう。
自由旅行で重要なのが宿泊場所。単純に寝泊りするだけではなく、観光の拠点にもなるため、立地条件も考慮しましょう。その他、翌日の移動が朝早い場合、夜にチェックインする場合は、駅、又はバスターミナルに近い宿にすると移動が楽です。
海外の駅周辺は治安が良く無いことが多々あるので、特に女性は夜の外出を避けることをおすすめします。
旅行期間が決まっており、時間に限りがある、短期旅行の場合
- 移動手段・交通情報について
移動手段は、日本で運行に関する情報が入手でき、ある程度確実な交通手段で旅程を組むこと。不確実な移動手段で旅程を立て、いざ現地へ行ったら、「列車は毎週火曜日のみの運行だった、フェリーは夏季シーズンのみの運行だった、随分前に路線が廃止されていた」など、移動手段が無くなってしまってはお手上げです。時間に限りがあるため、代替交通手段を探す時間があるわけもなく、予定の場所に行くことを断念するしかありません。
短期間の自由旅行では、下調べ不足は致命的な失敗に直結するので確実な情報を。
列車の時刻はその国の鉄道会社のWebサイトで検索したり、ヨーロッパならトーマスクックの鉄道時刻表などを利用します。
- 宿泊について
宿泊ホテルは全て日本から予約していくことをおすすめます。ホテル探しは想像以上に時間がかかることもあり、短期旅行で予約無しで現地に行くのはおすすめ出来ません。また、宿泊予約サイトの利用で現地で直接部屋を取るよりも割引された、ネット予約の特別価格が適用されることが多く、かなりお得な価格でホテルに泊まれます。好きなホテルを選べるというのも自由旅行の大きな魅力です。また、ホテルが決まっていれば、夜に到着した場合でもタクシーでホテルに直行できるため安心です。
ただ、宿泊予約サイトの中にはトラブルが絶えない海外の予約サイトもあるので、注意が必要です。そこで、普段筆者が利用している、又は評判の良い安心してホテル手配が出来る格安サイトをまとめてみたので、海外自由旅行のホテル手配にご活用下さい。
旅行期間が自由に決められる、長期旅行、バックパッカーの場合
- 移動手段・交通情報について
時間がたっぷりとある長期旅行、バックパッカーなら、多少不確実な交通情報でも大丈夫です。時間があれば比較的自由に動けますし、現地で情報収集することが出来るからです。ただ、そうは言っても、ある程度の移動手段は調べるようにしましょう。現地で困るのは自分です。
ちなみに、バックパッカー向けの格安交通情報などは日本で情報が集まらないことが多いので、「地球の歩き方」や「旅行人」の掲示板で情報収集したり、英語版の「ロンリープラネット」で調べるのもおすすめです。それでも情報が得られない場合は、現地のパッカー宿などで、逆方面から旅をしてきた人に聞くなりして情報を集めます。
その他、国境情報も大事です。当然日本を出発する前にある程度調べておく必要がありますが、政情不安な国の場合、国の事情で突然国境が閉鎖されることもあり、代わりに他の国境が通過できる場合もあるので、その辺りの情報は基本現地で得ることになります。- 宿泊について
バックパッカーの宿泊は、基本的にユースホステルやパッカー宿がメインになることが一般的です。ただし、それらの宿が無い町も多々あるため、そういった町では安宿を探すことになります。 ですので、その町にはパッカー宿があるのか? 無ければ、安宿はどのエリアに集まっているのかなどを調べておきましょう。 また、宿までのアクセス方法についてもしっかりと調べること。
日本では駅周辺のホテルは高いことが一般的ですが、海外では駅、又はバスターミナル周辺のホテルは格安ホテルであることが多いです。正直、駅周辺の治安は決して良くないことが一般的ですが、早朝出発や夜の到着の場合は非常に便利でおすすめです。 安宿情報は「地球の歩き方」や英語版の「ロンリープラネット」に多く掲載されているので、しっかりと調べておきましょう。
観光地の地図・ガイドブックを準備し、観光情報を集める
海外自由旅行の概要が決まってきたら、行く場所の観光情報を集めます。 訪れたい場所があるなら、入場・開館・閉館時間などを確認。それによっては予定を入れ替えるなど、旅程の組み方を変える必要があるかもしれないので、しっかり確認。行った後に「こんな場所があったなら行きたかった!」と後悔することがないように、観光情報は重要です。
ヨーロッパの節約旅行では難しいですが、海外では食べ物も楽しみの一つ。その土地の名物やレストランなどもチェックです。
また、ある程度旅行期間が長い場合は、行く予定の町のインターネットカフェ情報を調べておくと良いでしょう。
その他、利用予定の航空会社の連絡先やオフィスの場所(渡航予定の全ての国の)を調べておくと、リコンファームの時に役立ち、特に帰りの便の変更が出来るチケットを購入した人は、帰国便の変更をするためにも知っておくことをおすすめします。
自由旅行で特に重要なのが町の地図。当然ですが誰も案内してくれないので、地図がなければどこに何があるかもわからないし、ホテルの場所もわからないので、できるだけ詳細な地図を準備します。
日本ではなかなか良い地図が入手できなかった場合でも、現地のツーリストインフォメーションなどでもらえることが多いので、現地でチェックする価値はあります。
尚、観光情報の集め方、ガイドブックの選び方、地図については下記で説明しています。
旅行バックや旅の道具を揃える
自由旅行では自分で荷物の持ち運びをする必要があるため、「街中の移動は全てタクシーで宿泊ホテルは全て4つ星以上」というような旅で無い限り、スーツケースは絶対に避けましょう。特にヨーロッパは石畳が多く、小さなキャスターは全く役に立ちません。個人で荷物を運ぶには辛すぎます。
ただ、短期間で1〜3都市程度の宿泊で駅から徒歩5分以内のホテル限定など、荷物の持ち運びが少ない旅であれば、キャリーバー付きの小型のスーツケースでもOKです。
海外自由旅行ではとにかく身軽に動けることが望ましいので、基本はキャリーケースやバックパック、またはキャリーバー付きの小型のスーツケース(60L以下を強く推奨)になりますが、この3種類の旅行カバンを選ぶ基準は、旅のスタイルによります。
筆者がおすすめするスタイル別 カバンの選び方
- キャリーケース:
移動は主に列車で、公共の交通機関が発達した先進国を自由旅行したい、基本的にB&Bや小規模ホテル、連泊が多めという自由旅行のスタイル。
- キャリーバー付きの小型スーツケース(60L以下):
- 1〜3都市程度の宿泊で移動が少なく、移動は列車が中心で宿泊ホテルは駅から徒歩5分以内、又はタクシーで移動。荷物を持って地下鉄や市バスで移動は無し。3つ星以下のホテルには宿泊しない。
- バックパック:
- 移動は列車や長距離バスが中心で、公共の交通機関が発達していない、舗装されていない道路が多い発展途上国が旅のメイン、連泊が少なく移動が多いという、ガンガン突き進むスタイルの自由旅行。両手が空くのでかなり自由に動けます。
キャリーケースやバックパックの選び方については、こちらで詳細をご案内しています。
海外旅行保険はクレジットカード付帯では不十分!
自由旅行の最大の利点は全てが自由なことですが、逆を言えば全て自分次第です。つまり、全てが自己責任となるため、何かトラブルに遭った時のことを考え、海外旅行保険は必ず入りましょう。
もちろん、クレジットカード付帯の保険はあった方が安心です。でも、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけに頼るのはリスクがあるため避けることをおすすめします。
その理由や、格安で申し込める海外旅行保険について下記ページでご紹介しているので、参考にしてみて下さい。
旅行出発までに準備したいこと
自由旅行の期間が長くなればなるほど、しっかり準備しておかなければいけないのが、何かあった場合の連絡先をまとめておくこと。
例えば、行く予定の国の日本大使館、保険会社やクレジットカード会社の緊急連絡先など。日本の緊急連絡先はフリーダイヤルではなく、必ず市外局番から始まる番号をメモしておくこと。フリーダイヤルの番号は海外からかけられません。これらの番号はリストにして持ち歩くと良いでしょう。長旅の場合は紛失のリスクもあるので、メールの下書きに入れておくと安心です。
その他、数ヶ月以上日本に帰国しないのであれば、郵便物や公共料金の引き落としなどの対策をし、クレジットカードの引き落とし口座にも万一のための資金がしっかりと入っているか確認します。新聞などを取っている人は留守中の配達中止の連絡も必要です。
次のページでは、海外自由旅行・一人旅の計画を立てる際の実践的なアドバイスや裏技についてご案内します。