「時差ぼけが辛い!」 と、「飛行機の機内で寝たいのに眠れない!」 には、共通する原因と対策・解消法があります。
飛行機の機内で出来る時差ぼけ対策から、日本出発前にできる時差ぼけ対策の準備、現地での時差ぼけ解消法があります。
当然個人差があるため「これをすれば絶対に時差ぼけが治る、飛行機で熟睡できる!」 とは限りませんが、試さないよりは試すことをおすすめします。時差ぼけが解消できないと、せっかくの旅も楽しめなくなりますから、しっかり対策して治すためのアドバイス。より充実した海外旅行と快適な機内ライフを送るための海外旅行雑学講座です。
目次
時差ぼけ対策・解消には、時差ぼけの原因を知ること!
時差ぼけの最大の原因は、『体内時計』の狂いによるものです。 人間は時間になるとお腹が空き、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるといったサイクルを繰り返しますが、この1日の生活リズムを『体内時計』と呼んでいます。
飛行機で時差がある地域へ短時間で移動すると、体が活動的な状態なのに現地では寝る時間であったり、逆に体は体温が下がって寝る体制になってきているのに、現地では「今から1日が始まる!」という活発に動かなければいけない時間であったりと、急激な時差に体が対応しきれず、体のリズムが狂ってしまいます。
つまり、時差ぼけとは体内時計と実際の時刻に大きなズレを生じてしまう障害のことで、時差ぼけの症状が出ることがあります。
時差ぼけの症状
- 不眠・眠気
- 頭痛、めまい、目の疲れ
- 食欲不振、疲労感
- 時差ぼけの症状が重い場合は、消化器の不調、心身の不調
時差ぼけの症状は個人差が非常に大きく、あまり症状を感じない人もいれば、症状が数日間続く人もいます。一般的に時差が4~5時間違ってくると、時差ぼけの症状が出やすくなります。また、朝型人間と夜型人間では、朝型の人ほど時差ボケの症状が強くなる傾向にあります。
その他、時差が大きくて飛行機に乗っている時間が短い行き先であるほど、時差ぼけになる確立と度合いがグッと上がります。
例えば、ヨーロッパと日本との時差は-9時間で飛行機に乗っている時間は約12時間。日本とハワイの時差は-19時間で飛行時間は約7時間。つまり、ハワイはヨーロッパよりもはるかに時差ぼけが辛いのです。
日本からヨーロッパへの飛行機に乗っている時間が長いため、体が機内で時差調整(体内時計の調整)をする時間が十分にあるのに対し、ハワイの場合は時差が大きいにもかかわらず機内で体の時差調整をする時間があまりに短いことが理由です。
つまり、体内時計を現地時間に合わせてコントロールしてあげることで、時差ぼけを解消することができ、時差ぼけの対策にもなります。
尚、時差ぼけは病気ではなく、一時的な体の不調であり、時間が経つにつれて体が時差に慣れてくるため、徐々に時差ぼけは解消されてくるのが一般的です。
時差ぼけの治し方 時差ぼけ解消のための体内時計コントロール方法
- 飛行機に乗り込んだら、すぐに腕時計の時間を現地時間に直す
- 機内では現地の時間を見ながら過ごすようにし、いつ寝て、いつ起きているべきかを判断する。機内では現地時間を意識して過ごすようにしましょう。
- 飛行機の機内でいつ寝るかという時間の判断は非常に重要
最も簡単で大きな効果がある時差ぼけ対策です。
例えば、現地到着時刻が夜である場合は、最初の機内食を食べた後すぐに寝て、後半はずっと起きているようにする。これは、ホテル到着後にすぐ寝られるようにするための対策。朝到着の場合は、到着ギリギリまで寝ていた方が良いので、前半は寝ないなど機内で睡眠調整。- 出された機内食はしっかり食べること
- 体内時計は食べ物を食べる時間と関わりが強く、決まった時間に食べることで体内時計を正常にコントロールしてくれます。機内食が出されるタイミングというのは、基本的に到着地の時間を考慮した時間に提供されるため、お腹が空いていなくても出されたら少しは食べること。時差ぼけ対策の効果が期待できます。
- 時差ぼけの症状を最小限に抑えるには、太陽光を浴びることが効果的
- 体内時計は目に入る太陽光によってもコントロールされています。そのため、現地で「時差ぼけかな?」 と思ったら、朝の太陽の光を浴びることで狂った体内時計を修正し、時差ぼけの解消に有効です。ですから、朝眠くても頑張って朝日を浴びるようにしましょう。
時差ぼけの症状がいつも酷くて困っているという方
日本を出発する数日前から体内時計を到着地時刻に近づけるための下準備をすると、現地に到着してから体内時計を正常に戻しやすくなり、時差ぼけ対策になります。
特に、アメリカのハワイは飛行機で7時間ほどで着いてしまうにもかかわらず、日本との時差は-19時間。機内で寝る時間が少なく、体内時計の調整をする時間が十分ではないため、時差ぼけになりやすい行き先の一つです。そこで、下記にハワイを例に、日本出発前から行う時差ぼけ対策をご紹介します。
時差ぼけ対策のための体内時計コントロール方法 (日本出発前の準備)
日本出発の2~3日前から早寝・早起きをして機内で眠れるよう時間調整をする
例えば、日本で朝起きる時間が7時だとすると、ハワイの時間では昼の12時です。そこで、出発の2~3日前から、夜早めに寝て、朝4~5時に起きるようにします。
日本時間の4時はハワイ時間で朝の9時。日本で朝起きる時間を早めることで、体内時計をハワイ時間に近づけることができ、体がハワイ時間に慣れやすくなります。
また、数日間無理に早起きすることことで寝不足感があるため、機内ですぐに寝ることが出来るようになります。機内でしっかり寝て朝起きる頃にハワイに到着すれば、時差ぼけを最小限に抑えることが出来るはずです。
さらに時差ぼけ対策を徹底するとすれば、日本出発の前日~2日前は、日中、特に昼以降に強い日差しを避け、外出するときは出来ることならサングラスを着用し、日光を避けると完全です。理由は、時差ぼけの原因となっている体内時計は太陽光を浴びている時間によってもコントロールされているからです。
現地に朝到着してから睡魔に襲われ我慢できない場合の対処法
3時間程睡眠をとります。辛くてもそれ以上は眠らずに起きてください。以後は屋外に出て太陽の光を十分に浴びて眠気を我慢しましょう。
あまりに眠いからといって、ホテルで3時間以上寝てしまったり、室内に閉じこもっていると、時差ぼけが数日間続くことになります。
飛行機の機内で熟睡するコツと事前の準備
機内でなかなか寝ることが出来ない、2つの大きな理由
- ジェットエンジンなどの騒音
- 体内時計の乱れ
睡眠の妨げになる騒音対策・解消方法は以下の2つ
- 耳栓をする
これは多くの人が実践している一般的な対策ですが、最も手軽で簡単、確実な方法です。中でもおすすめなのが、MOLDEX という耳栓。遮音性が高く、長時間の装着でも不快感が少ない質感の良さで人気があります。 - ノイズキャンセリング型のヘッドホンを使用
機内での騒音対策に関する話題といえば耳栓のことばかりですので、初めて耳にする方もいらっしゃると思います。しかし、筆者から言わせれば、なぜこれを話題にしないのか不思議なくらい、絶大な効果を発揮してくれます。
ノイズキャンセリング型とは、簡単に言えば、騒音と逆の音を作り出し、騒音を打ち消す仕組みのヘッドホンのことで、耳栓のように物理的に音を遮断するのとは完全に異なります。その効果は、周囲の騒音を限りなく無音に! 音楽を聴かなくても使用できます。
詳しくは、おすすめのノイズキャンセリング型のヘッドホン・イヤホン をご覧下さい。
飛行機で寝るための方法
体内時計については冒頭でお話した通りですが、飛行機の中で疲れているのに眠れないというのは、体が「寝る時間」と判断していないため、眠くならないというわけです。
重要なのは体を寝やすい環境にすることです。下記に飛行機の機内で寝るためのアドバイスをいくつかご案内します。
- 前日は多少寝不足にしておくことで、機内でぐっすりと眠れるようになります。ただ、この方法は最低でも6~7時間の飛行時間がある時に限定した方が良いでしょう。それ以下の飛行時間だと、機内で寝る時間が少ないため完全な寝不足状態となり、現地に到着してから体がだるくなってしまいます
- 機内食を食べることで、体は寝やすい状態になります。体内時計と関係があり、お腹が空いていなくても、出された機内食はその時に食べることをおすすめします
- 飛行機に乗る前は、出来るだけ強い日差しを浴びないこと。これも体内時計と関係が強く、強い日差しを浴びることで体は活動的になってしまうため、眠くなりにくくなってしまうのです。そのため、サングラスも非常に効果が大きいです
- アイマスクの効果は大きいです。これは、目に入る光が遮断されると、脳が睡眠を促すようになるという科学的根拠 (メラトニンという分泌物) があります。明るい場所では脳が活動をしてしまうため、寝にくいのです
- 映画は極力見ない。以外に思われる方が多いかもしれませんが、液晶画面が放つ光にはブルーライトが含まれており(LED液晶モニターの場合は更に強いブルーライトを発する)、この光が目に入ることで脳が活発化します。つまり、体は寝る準備に入るどころか、体は起き続ける状態になるのです。スマホやタブレット、ノートPCも同様です
- お酒が飲める方は、お酒を飲むという手段もありますが、機内の気圧が低いためとても酔いやすく、量に気をつけること。また、お酒だけに頼ろうとする方がいらっしゃいますが、おすすめできる方法ではありません。上記でご紹介している方法と併用することを強くおすすめします
- 離陸して時間が経ってから寝るよりも、離陸してすぐの方が寝やすいです。これは気圧の変化によるものです。そのため、一番最初に出る食事を食べた後すぐに寝るのがおすすめです。また、体を暖めるとリラックス効果で寝やすくなります
- 最終手段として睡眠薬。服用する場合は、作用時間と到着時間のことも考えましょう。目的地に到着しても目が覚めないのでは大問題です。作用時間が短い睡眠薬がおすすめです。注意として、アルコールと一緒に飲むのは危険なので避けるように