キャスターによる選び方 メリットとデメリット
スーツケース、キャリーバッグ共にカバン選びで重要なのがキャスターです。キャスターにも種類があって特徴があるため、どこを見れば良いのかについてご案内します。
2輪と4輪キャスターの違いと特徴
2輪キャスター
- キャスターがバッグ本体に固定されている構造のため、衝撃に強くて壊れにくい
- キャスターが大きめなので、石畳や段差に強い
- 4輪のようにキャスターが出っ張っていないのでコインロッカーで引っかからずに入れやすい
- 4輪と比較するとキャスターの音が静か
- カーペットの上ではタイヤが沈んでしまって引っ張るのに力が必要で疲れる
- 人ゴミの中で二輪を引っ張るのは危険で気を使う
- 10kg程度の重さになると少し引いて歩くだけで腕が極度に疲れ、苦痛になる
4輪キャスター
- 荷物が重くなっても2輪ほど腕が疲れず、移動が楽々でスムーズ
- カバンの上に荷物を置いても安定して引っ張れる
- 2輪キャスターと比較して、石畳などデコボコした道や段差が得意ではない
- キャスターが突き出した構造のため衝撃に弱く、2輪に比べて壊れやすい
使いやすさの点ではやはり4輪キャスターです。引っ張る力が断然小さいので疲れにくいです。体への負担は旅行に直接影響するため、疲れにくいというメリットは非常に大きいです。ただ、石畳や道が悪い場所での利用が多いと4輪キャスターはすぐにダメになるため、2輪キャスターの方が安心です。
ダブルキャスター(8輪キャスター)のメリットとデメリット
最近多いのが1つのキャスターに2つのタイヤが付いているダブルキャスターです。最大のメリットは段差やカーペットの上で強いこと。例えば石畳が多いヨーロッパでは段差で引っ掛かりにくく、カーペットが敷かれた機内やホテルではタイヤが沈みにくいので最小限の力で転がすことが出来ます。尚、固くて平らな場所を転がすだけなら通常のキャスターと全く同じです。
デメリットとしては若干重くなることや価格が高くなること、シングルホイールと比較すると耐久性が劣る点です。
フレームタイプとファスナータイプの違い メリット・デメリット
ここ数年で随分と普及してきたのがファスナータイプのスーツケースですが、ファスナータイプに不安を感じている人がそこそこいらっしゃるのも事実。実際はどうなのか? フレームタイプと比較してみたいと思います。
フレームタイプ
- 剛性が高いため圧力に強く、変形しにくくて丈夫。中の物を守りやすい
- 鍵が丈夫で安心感がある
- フレームが歪んでしまうとカバンが閉まらず、使い物にならなくなる
- ファスナータイプと比較すると随分と重い
- 構造が複雑なため、ファスナータイプと比較するとロックが壊れやすい
ファスナータイプ
- ファスナータイプはとにかく軽い!
- フレームタイプより価格が安い
- 構造がシンプルなため壊れにくく、カバン自体が長持ちする
- 全開しなくても隙間から物を突っ込むことができるので何かと便利
- フレームが無いので剛性が低く、圧力には強くない
メリット・デメリットはこんな感じですが、フレームタイプとファスナータイプの双方を使っていた筆者としては、ファスナータイプの方が断然使いやすいです。実際に欧米では随分前からファスナータイプが主流で、やはりその軽さと安さが人気の理由です。
ちなみに「ファスナータイプはセキュリティー面で不安」という方もいらっしゃいますが、最新の高品質ファスナーは非常に丈夫でそう簡単にこじ開けることは出来ません。ナイフで切られるかも? 確かにその通りですが、フレームタイプでもバール(釘抜き)を使えば簡単に鍵を壊せますから同じことで、中途半端に頑丈である必要はないわけです。また、日本とは比較にならないほど盗難が多い欧米でファスナータイプが主流になっていることを考えれば、セキュリティー面でそこまで心配になる必要はないでしょう。
安物のファスナータイプは特に注意!
ファスナータイプのスーツケース、キャリーバッグ共に最も重要な部分がファスナーですが、安さの代償を特に受けてしまうのがファスナーの品質です。安いカバンに使われるファスナーは本当にすぐ壊れます。1万円以下のカバン(40L以上)は論外です。
高品質なファスナーはコストがかかっているため値段が上がりますが、ファスナーが壊れればカバンは使い物になりません。旅行先でファスナーが壊れたら最悪です…。目先の値段に惑わされず、しっかりしたカバンを選びましょう。
ソフトタイプとハードタイプの違い メリット・デメリット
ソフトタイプ
- ポリカーボネートの新素材と比較しても軽い
- ヒビや割れの心配が無く、シンプルな構造もあり丈夫で長持ちする
- カバン外側にファスナーポケットを付けることが出来るので利便性を高められる
- コインロッカーや航空会社の荷物サイズ測定で多少引っかかっても、柔軟性があるので引っ込めることで何とかクリアできることがある
- ツヤ無しで落ち着いた素材感のため品が良く見える
- 擦り傷が目立ちにくい
- 強い衝撃を受けてもカバン自体に柔軟性がありショックを吸収するため、カバンが壊れにくい
- 柔らかい素材のため外部からの衝撃がカバン内に伝わりやすく、壊れやすい物が入っていると破損するリスクが高くなる
- 雨に当たるとカバンに浸み込んでくる
ハードタイプ
- 外部からの衝撃に強く、中身を守りやすい
(軽量モデルはソフトタイプと大差なし) - 雨に強くて浸み込まない
- 汚れに強く、拭くだけで簡単に汚れを落とせる
- 光沢がある素材だと擦れや傷が目立ちやすい
- 素材の性質上、一定以上の力がかかるとヒビが入ったり割れたりする
家族旅行でスーツケースはどう選ぶ?
3人の場合(6泊8日)
おすすめは60L程度のスーツケースを2つです。もし、男性1人+女性2人というパターンであれば、50~60L程度のスーツケース1つ+45L以下のキャリーバッグ2つという組み合わせもおすすめです。
4人の場合(6泊8日)
60~70Lのスーツケース1つ+50~60Lのスーツケース2つ、もし4人のうち男性2名いるのであれば、60~70Lのスーツケース2つ+45L以下のキャリーバッグ1つという組み合わせでも良いでしょう。
大人2名・子供2名の家族であれば、70Lのスーツケース1つ+60L程度のスーツケース1つという組み合わせはおすすめです。又は、60L程度のスーツケース2つ+機内持ち込みサイズ(35~40L程度)1つでも良いでしょう。機内持ち込みサイズなら中学生でも難なく引けます。
いずれにしても、バッグ3つ以内で収めることをおすすめします。理由は全員の手が埋ってしまうと何かと不便なことがあるためです。また、バッグの数が少ない方が荷物を置く場所の確保もしやすいというメリットがあります。