学生最後の想いで作りに仲間と旅行、一生の思い出になると思いますし、それだけにしっかり計画して悔いのない旅にしたいですよね。でも海外旅行は初めてで不安もあるという人も多いはず。
そこで、学生ツアーの引率経験があり、世界5大陸 世界75周以上の旅経験がある元海外添乗員の筆者が、卒業旅行の選び方から準備まで詳しく解説。実際に卒業旅行を引率していた人だからわかる旅行会社の比較を本音でご紹介したいと思います。
目次
卒業旅行の計画のしかた。まず最初にやること
卒業旅行の計画、いつから始めればよいか? 当たり前すぎる回答ですが「出来るだけ早く」です。理由は、どの旅行会社も早割を設定していること、卒業旅行が集中する時期(2~3月)や人気ツアーは定員オーバーで受付け終了になる可能性があるからです。
では、皆はいつ頃計画を始めるのか? 最も多いのが12~1月です。2月になると試験や卒論で忙しくなるので、その前に計画を立てておくというのがその理由です。
それでは、下記に卒業旅行の計画の立てる際にやるべき流れをご紹介します。
- いつ行くかを決める
- 予算を決める
- どこに行くかを決める
- ツアーを探して予約する
- 行先についていろいろ調べる
- 調べたことを基に旅行の準備をする
1. いつ卒業旅行に行くかを決める
一番最初に決めなければいけない事ですが、友達の予定と合わせるとなると、これが最も難しい問題かもしれませんね。
例えば、2月は試験、卒論などギリギリまで忙しくて友達のスケジュールと合うのが結局3月になるという人が最も多いようです。ただ、入社前研修や国家試験、引っ越しがある人もいるでしょう。そして卒業式もありますから3月は忙しいということで、卒業旅行は2月の試験が終わってからすぐという人も多いです。その他、行先によっては1月と3月ではツアー代金が倍も違うことがあるので、時期的な料金でいつ行くかを決めるという方法もあります。
このように、いつならまとまった日にちを確保できるかを友達と話し合い、誰も予定が入っていない日を探りましょう。そして最長で何日間旅行に行けるかも確認しておきます。1つのカレンダーに皆の予定を書き込むとわかりやすいです。人数が多いなら下記のようにスプレッドシートで確認表を作れば凄く便利です。
スプレッドシートの編集の仕方がわからなければ、Excelでこの表を作ってPCに保存し、保存したExcelファイルをスプレッドシートにインポートすることも可能です。
この表にはどうしても動かすことが出来ない予定がある日に×を入れます。頑張れば予定変更できる予定は書き込まないことが重要なので徹底しましょう。
この表を見れば、3/7~3/16の間なら皆の都合が合うことがわかり、最長で10日間の卒業旅行に行けることがわかります。2. 卒業旅行の予算を決める
細かな予算を決めるのではなく、「15万円までなら出せるけど、それ以上だときついなぁ~」ぐらいの大体の予算でOKです。一緒に卒業旅行に行く皆で共通の認識が無いと、ツアーを選ぶ際に決められないからです。
尚、ツアーの場合は朝食込みであることは多いですが、学生ツアーの場合は昼食と夕食はフリーになっているのが一般的なので、食費についても考慮しておきましょう。アジアなら気にするほどの額ではないですが、ヨーロッパではサンドイッチ1つとドリンクで普通に1000円近くします。どんなに安いレストランでも1人2000円はかかるので、日数が長いと食費は馬鹿になりません。
ツアー代金は全体的に1月が最も安く、2月上旬から代金が上がり始め、3月に入ると更に高くなります。
3. どの国、どの町に行くかを決める
一番最初に出発時期を決めた際、最大で何日間卒業旅行できるのかわかっていると思うので、その期間で行ける行先を選びます。そしてその中から予算内で収まる行先を選ぶことになります。
下記に卒業旅行で人気がある行先と最低日数、そのツアー代金の目安をご紹介しておくので参考にしてみて下さい。
行先別 卒業旅行のツアー代金の目安(1~3月)
- 香港4日間 40000円~65000円
- グァム4日間 50000円~90000円
- バンコク5日間 40000円~60000円
- ハワイ5日間 75000円~115000円
- ニューヨーク6日間 110000円~180000円
- パリ6日間 80000円~100000円
- イタリア6都市周遊8日間(添乗員同行) 120000円~150000円
- バックパッカーでアジア10日間 70000円~100000円
例えばニューヨークのツアー代金は1月が110000円で3月は180000円。随分と価格差がありますが、飛行機も泊まるホテルも全て同じです。ただ出発時期が違うだけでこんなにツアー代金が違います。行きたい場所が決まっているのであれば、時期によってどのくらいツアー代金が違うのかもチェックしておきましょう。
その他、最低日数についてですが、例えばハワイ5日間の場合、1日目の午前中にハワイ到着し、昼頃から観光できますが時差の関係でこの日は相当しんどいはずです。そして2~3日目が観光、4日目の午前中にハワイを出発し、5日目の午後に日本帰国です。つまり、5日間あっても2.5日しか観光できません。日程表もしっかりと確認してどのくらい観光に費やせる時間があるのかもチェックしておきましょう。
バックパッカーについては準備のしかたも旅のしかたもツアーと全てが異なるので、卒業旅行でバックパッカー の項目でご案内します。
4. ツアーを探して予約する
学生さんだとやはり老舗の大手旅行会社のツアーが最もおすすめ。何かトラブルにあった場合の現地での対応力が全く違うのが理由で、やはり老舗大手は安心です。
ただ、大手って高いのでは?と思ってる人もいるかもしれませんね。ところが学生ツアーに限って言えば、大手のツアーも底値に近いくらい安いです。これは「将来のお客さん」として囲い込みをしておきたいという旅行会社の考え方があるため、採算度外視で安くしてるんです。
尚、ヨーロッパのツアーを選ぶ際は1日目に現地到着できるツアーを選びましょう。いくら安くても乗り継ぎに時間を要して2日目に到着するツアーはおすすめしません。
それでは、下記に卒業旅行向けのツアー企画をしていて筆者がおすすめできる旅行会社をご紹介したいと思います。
日本最大手の老舗と言えばやはりここ。間違いなく安心で確実だと思います。ツアー代金も全体的に安いですが、特にハワイは最も得意としていてツアーの質が良くツアー代金も安くておすすめです。
2020年で創業115年を迎える日本で最も歴史のある老舗旅行会社ですから安心感はJTBと全く同じです。ツアー代金はどちらかと言えば安めにも関わらずツアーの質は良くて信用できます。特にヨーロッパ周遊に強い旅行会社なので、ヨーロッパなら他社と比較してもかなり安いうえに高品質。しかもベテラン添乗員が多く業界屈指のハイレベル。ヨーロッパは添乗員の力量で満足度が随分と変わるので、添乗員同行の数都市周遊ツアーなら一押しでおすすめするのが日本旅行です。
大手3社の中では学生向け格安ツアーにあまり力を入れてないようで、全体的に高いです(質は良いのでコスパは悪くない)。ただ、ハワイ、グァムには比較的強い会社だけあってこの2か所についてはツアー代金は程よい価格で、それでいて質は良いのでコスパはかなり良いです。飛行機やホテルを選べるのも他社には無い強みですね。
HISはやっぱり安い! どの行先でも安いです。ただ、安いからには訳がある。世の中そんなに甘くないです(笑) ツアーの質はそれなりなので「どうにかなるでしょ」のノリがある学生さんで1都市滞在型の旅行であれば、妥協できる範囲内でおすすめできます。特にグァム、香港、バンコクといった近場はかなり安いです。ただ、添乗員同行のヨーロッパ周遊はおすすめしません。ツアー代金が安くないのに新米添乗員レベルの可能性大なので良いこと無いです。
格安ツアーでおなじみの大手旅行会社ですが、学生ツアーに関して言えば力を入れている国とそうでない国の差がハッキリしています。中でも安めなのが香港、ハワイ、ニューヨークなので、これらの行先が候補ならチェックしてみて下さい。
5. 行先についていろいろ調べて1日ごとの予定を立てる
添乗員同行のヨーロッパ周遊なら自由時間はあまり無いので調べることは少ないかもしれませんが、1都市滞在型のツアーなら調べることはいろいろあります。まずは観光。どこに行くかと交通手段がわからなければ話になりません。
次に食事をどうするか? 特にヨーロッパなら日本以上に外食の物価が高く、どんなに安いレストランでも毎食レストランに入っていたら食費だけで2万円はかかるでしょう。アメリカでもハワイやグァムといった観光業で成り立っているような町は食費が高くつきます。
そしてお土産をどうするか? 友達へのお土産などはスーパーで現地のお菓子などを買うのが定番かなと思います。安いし物珍しいし手っ取り早い。問題は自分たちのお買い物。行きたいお店があればしっかり場所と営業時間をチェックして、一緒に行く友達と話し合って買い物の時間を作るようにして下さい。
最後に、予定を立てる上で一番大事なことを言います。『予定を詰め込み過ぎないこと』です。あれも見たい、このお店も行きたいなど、ついつい予定を詰め込みたくなるのはわかりますが、まず予定通りにはいかないです。そうなると全てが中途半端になって満足感が低くなるだけでなく、イライラが募って友達との喧嘩に発展します。実際に筆者が引率したヨーロッパ周遊の卒業旅行ツアーで友達同士で喧嘩してる女の子を何度も見てますから^^ 予定は程々にし、「時間にゆとりがあったら行こう」という程度に予定しておけばOKだと思います。
6. 調べたことを基に旅行の準備をする
もしビザが必要な国であればビザ取得、それ以前にパスポートを持ってなければパスポート申請が必要ですね。パスポートを申請してから取得するまで最短で6日間(土日祝を除く)、もし申請に不備があればさらに日数がかかるので早めに申請しておきましょう。
そして行先が寒ければ防寒対策、暑い場所なら夏服や水着、日焼け止めの準備など。また、卒業旅行シーズンは日本は寒く、空港までコートを着ていく人も多いと思います。しかし旅行先がハワイやグァム、東南アジアなど暑い場所だったらコートをどうするか? 成田空港、羽田空港(国際線ターミナル)、関西空港、セントレアではコートの預りサービスをやっているので調べてみて下さい。
その他、海外旅行の準備について参考になるページをリンクしておくので参考にしてみて下さいね。