ドイツ ロマンチック街道の見所・観光名所、その歴史
ロマンチック街道は、フランケン地方の古都ヴュルツブルクに始まり、オーストリア国境に近いフュッセンまでの約350kmに渡る街道であるが、古くから「ロマンチック街道」という呼び名があったわけではない。
ロマンチック街道の呼び名は、第二次大戦後の西ドイツが復興していく過程で、観光客誘致を目的とし、中世の面影を残す町をつなぎ合わせた街道を新しい観光名所として世界にアピールするために命名されたもの。
ただし、街道沿いの町は中世においても街道で結ぼれていた事は確かであり、その前身となる街道は、古代ローマ帝国のアウクスブルクと本国のローマを結ぶ街道『ヴィア・クラウディア・アウグスタ (Via Claudia Augusta)』 であり、そういった意味ではロマンチック街道は歴史的な街道と言う事ができる。
ロマンチック街道沿いの町は14世紀から15世紀にかけて全盛期を迎えた。
ところが、15世紀末期、ポルトガルやスペインが主役となる大航海時代が幕を開け、1498年にはヴァスコダガマによって喜望峰航路が発見。海路を通って直接インドや申国と貿易をする道が開けたことにより、ヴェネッィア共和国をはじめとする東方貿易で潤っていた北イタリアの都市は16世紀になると衰退し始め、それに伴ってロマンチック街道も交通量が減少。経済的な重要性を失っていくことになっていく。
さらに、カトリックとプロテスタントとの間に30年戦争が勃発。ロマンチック街道沿いの町の北半分はプロテスタント側につく事になり、最終的にはこれらの町がカトリック軍によって征服されていく。そして政治的にも重要性を失い、歴史の舞台から姿を消すこになった。そのため、ロマンチック街道沿いの町はこれ以上の発展することもなく、中世の面影をそのまま残す結果となった。
ロマンチック街道の観光名所・見所はいろいろとあるが、中でも下記の町はおすすめ。
- ヴュルツブルク
- ロマンチック街道の中で最も古い歴史を持つ古都。 ドイツの中でも比較的大きな町だが、観光の見所は徒歩圏内に集まっていて観光しやすい。 おすすめは世界遺産にも指定されているレジデンス。バロック様式の豪華な宮殿は見事。 是非おすすめしたいのは、小高い丘の上に築かれたマリエンベルク要塞のテラスから眺めるヴュルツブルクの街並み。特に午後の時間は素晴らしい絶景が広がる。
- ローテンブルク
- ツアーでは必ず訪れる一番人気の観光名所。 かわいらしい街並みはどこを見ても絵になる風景。 時間があれば、市庁舎からの絶景と城壁の上からの眺めを楽しんで欲しい。 観光客がいなくなる、静かな夜の街並みも良いので、出来れば城壁内に宿泊したい。
- ディンケルスビュール
- ローテンブルクと似た街並みだが、こちらは観光客が少なく、ツーリスティックな感じはまるでないので、のんびりとした日常の生活が垣間見れる。 また、ローテンブルクのように第2次大戦の爆撃を受けていないため、完全な形で中世の街並みが残されているという点で、歴史的には貴重な町。 おすすめはマルクト広場に立つ聖ゲオルク教会の鐘楼からの眺め。まさに絶景。
- ノイシュバンシュタイン城
- ロマンチック街道の中でも1位2位を争う人気の観光スポット。 城内の内装に関してはきらびやかで豪華と印象はないものの、ディズニーのシンデレラ城のモデルになっているお城だけのことはあり、大変優雅で美しく、インパクトがある外観。 特にマリエン橋から眺めるノイシュバンシュタイン城は美しく、誰もが感動する。